地中海を越えて

生活記録.自己表現練習.執筆リハビリ

雑記_クレチマスの花言葉

やさしい明かりを灯した屋台。

風がそれらを撫で、懐かしい香りを運んでいく。

知らない誰かは浴衣姿で屋台に並び、他愛もない話をしている。

 

カップの中で静かに息をしているかき氷。

買われ、食われ、人間の欲を満たした途端、残骸だからと捨てられてしまうものたち。

 

夜が深まるにつれて高くなる人口密度。

皆、片手に花火のお供を連れている。

缶チューハイ、からあげ、ラムネ、りんご飴、.......。

 

咲いたと思えば次の瞬間には夜空に溶けてしまう花。

それらの色を少しだけ頬にのせた誰かの横顔。

夜空に浮かぶ花よりもその横顔を見ていたいと思うのは、もしかすると花たちの策略なのかもしれない。

 

様々な想いがまばらな拍手となり、生ぬるい空気に溶け込んでいく。

それを吸い込む私たち人間は、想いから逃れることは出来ない。

 

私たち人間は、決して。

どんな想いからも、逃れることは出来ない。

だとすれば、それを養分としてしまえばいいのだろうか。

 

想いを食べて生きていく。

悪くない響きだ。